私のヒプノ赤ちゃん体験記 ~“帝王切開”は怖い?と思っているママ達へ ③

 こんにちは!妊娠6カ月目になりました真彩巳です。今は夫と幼稚園年長さんになる長女の3人で暮らしています。5年前に長女を出産したとき、逆子が直らず急きょ帝王切開で出産しました。部分麻酔だったため、お腹を切られる恐怖感でいっぱいの中、初めてのお産を経験しました。
二人目も帝王切開で産むことになります。せっかくの「お産」を、また恐怖感だけで終わらせたくはない、と思い「ヒプノ赤ちゃん」という催眠療法を学ぶ決心をしました。
今回は、その実践編としてセラピストのみつよさんから伺ったお話と、私が実際に行った練習また途中経過についてお話したいと思います。

 

 「これから毎日、自己催眠の練習をして欲しいの」
2回目のセッションでみつよさんから言われた課題は、意外なものでした。
「え、自分に催眠なんて掛けられるの?」
私は何度かセラピストの誘導で、催眠状態になってセラピーを受けたことはあります。でもそれを今度は自分でするなんて!セラピストや専門家でないとできないんじゃないかしら…?
「大丈夫!『私はできる』って信じて、とりあえずやってみて。自己催眠ができるようになると、心と体が出産に向けてリラックスできて、落ち着いてお産ができるようになるよ」
そう言うとみつよさんは私に二つの自己催眠方法について説明してくれました。
ひとつは「エンプティーカップ」というやり方。これはスムーズにリラックスできる方法で、まず始めに深く息を吸い込みます。そして、コップいっぱいの水が一気になくなるイメージで、頭からつま先まで一気に息を吐き出します。そうすると身体も心も、ふっと力が抜けるのを感じるのです。
ふたつ目は「階段をおりていくイメージ」。頭の中で、自分が階段を下っていくイメージをしながら10から1まで数を逆に数えて行きます。そうすることで、より深いリラックスを感じ、いわゆる自己催眠の状態に持っていくことが可能となるのです。

 

 「じゃあ、実際にどんな感じかやってみましょうか」
そう言うとみつよさんは私に、「エンプティカップ」と「階段を下りて行くイメージ」を使って、催眠状態へと誘導してくれました。
 ソファにゆったりと座って、身体と心の力を抜く。そして階段を下りるイメージで、深く深くリラックスしていく…。みつよさんの声ははっきり聞こえますが、とても心地の良い気分です。

 

 長女の出産の時を振り返っていた時、トラウマのようなイヤなことを思い出しました。私は切開への恐怖感と急にあてられた酸素マスクの密閉感で、少しパニックになっていたようです。息苦しくて必死に口で呼吸をしていたせいか、口の中がカラカラになってしまい、余計に不快な思いをしていました。
「今なら何を言っても大丈夫ですよ。何がしたいですか?」
催眠中、みつよさんの声掛けに私は反射的にこう答えました。
「お水を下さい。水が飲みたいんです」
私は出産中の手術台の上で、看護師さんから冷たいお水をもらい飲み込むイメージをしました。飲み込んだ水は、口の中を潤しのどの奥や身体まですうっと癒してくれます。そしてふっと気持ちが楽になると、「ああ、これでもう心配ないな」と感じました。

 それともう一つ、お腹の赤ちゃんとママが話をする「胎話法」を教わりました。まだ話も出来ないお腹の赤ちゃんとでも、潜在意識の下ではお互いにメッセージのやり取りができるのだそうです。みつよさんいわく、
「積極的に赤ちゃんとつながることで、ママと赤ちゃんが一緒にお産に取り組めるようになるのよ」
長女がお腹にいた時にも、「お腹の子に話しかけてみて下さいね」という話はよく聞いたことはありました。でも、実際にやったことはなかったので、本当に話ができているのかな、とちょっと疑問を感じていました。
私が初めてお腹の赤ちゃんから受け取ったメッセージは
「いっぱいお話してね。もっとたくさん話しかけてちょうだい」
というものでした。

 

 この日のセッションを通じて私が学んだのは、帝王切開でも決してお医者さんまかせの出産ではないということ。ママが積極的にリラックスしたり、赤ちゃんと協力したりすることで、多少なりとも自分の力を発揮することができるのだと感じました。そう思うと、切開されることはただのきっかけに過ぎないのです。次の手術は自分がコントロールできないような怖いことではない、という確信が持てました。

 2回目のセッション後から、私は家で自己催眠の練習をしながら、できるだけお腹の子に話しかけるようにしました。
「次の健診の時には、男の子か女の子か教えてね」とか、
「手術であなたのことを産むけど、一緒にがんばろうね」など。
また、お腹の子から受け取ったメッセージは、
「自分はお姉ちゃんと全然違うよ。それでもいい?」
というものでした。
自己催眠も徐々に慣れてきたのか、寝る前に行うと寝つきが早くなったように思います。

 

 そして、2週間後の妊婦健診の日のことです。
「先生、今日はお腹の子がどっちかわかりますか?」
今まで2回聞いてもどっちか判らずにいたのですが、
「あ、女の子だね。股の部分がこんな形だもの。付いて無いよ」
お医者さんはそう言うと、わざわざ赤ちゃんの脚の付け根部分を写真に撮って渡してく
れました。なにもそんな部分を写真にしてくれなくても、と笑いをこらえつつ、胎話法
って本当に赤ちゃんとお話できるんだ!と驚きました。

 

 「お姉ちゃんと違うよ」というメッセージから、私はてっきり男の子かと思っていまし
た。でもそれは、「同じ女の子でも、私とお姉ちゃんは性格が違うのよ」という意味なのかもしれません。この子はどんな性格なのかな?とまたひとつ楽しみが増えました。

 

 現在では日本のお産のうち、およそ5人に1人が帝王切開で出産しているそうです。これから帝王切開で産むことになるママ達が、経膣分娩のママ達と同じように、どうかお産の感動を味わえますように。(私も含めて!)

文・鵜養真彩巳
(つづく)