わたしだけのストーリー

こんにちは!真彩巳です。

 

今回は私が受けた前世療法についてのお話です。

まさか、私の前世があんな場所で、あんな人物で、あんな人生を送っていたなんて、

想像すらしていませんでした。

私の前世体験が、もしかすると、あなたにも、何らかの気づきをもたらすかもしれません。

たとえば、身近な人をもっともっと大事にしたいと感じはじめるとか、内的な傷を癒すとか…。

ユング心理学者の老松克博氏は、 

「外的な世界に外的な傷を癒す薬があるように、内的な世界にもやはり内的な傷を癒し人を生きさせる薬がある。それこそがイメージであり、象徴である」 

と言っています。(「スサノオ神話で読む日本人」講談社選書メチエ より) 

 

 これまで私が受けた2回のヒプノセラピーでわかったことといえば、

●自分の中で、催眠状態に一番近い感覚はヨガの「シャバ・アーサナ(屍のポーズ)」

 であること。つまり催眠状態は、究極のリラックスポーズに似ているということ。

●頭が一番リラックスをした状態で思い付いたものが、潜在意識であること。

●そして今の私は、ライター志望であるにも関わらず、何かが「怖くて」前に進めないで

 いること。

ここまで整理ができました。しかし、初回のセラピーを受けた時から影のように付きまとっている「恐怖の正体」は、まだ不明のままです。今回はその正体を見極めることが課題となりました。


 11月の憂鬱な雨の日。私は高橋先生の事務所で、自分の「恐怖」と「孤独」について考えていました。思い当たることといえば、小学生の時転校先でいじめられたこと。中学生の時は嫌な思い出しかないこと。そして大人になっても、常に他人の視線が気になってしまうことや、いつか家族を失ってしまうのではないか、という根拠のない不安… 自分でもこんなことを思うのは、バカバカしいコトと分かっています。でも、そう思い込んでいる自分も、確かに存在しているのです。

「常に怖いことに目が行ってしまう、という思考パターンなんだね」

高橋先生は一通り私の話を聞くと、こうまとめました。

「では、これからまさみさんが受けるヒプノセラピーは、年齢退行療法または前世療法になります」

先生はそう言って、セラピーを始めるための椅子を用意しました。

この時点では私にも、どちらのセラピーを選ぶのかわかりませんでした。ただ、初回に行った数十分の催眠だけでも、あれだけ涙があふれてきたのです。

「絶対に、すごいことになりそう…」

私は自分に何が起こるのだろうという好奇心と共に、椅子にしっかりと腰を下しました。

 

 まず高橋先生の声に集中し、深く深く呼吸をする。椅子に体が沈み込むイメージをする。自分でも、催眠の導入に慣れてきたなと感じました。先生のカウントダウンが催眠へのゴーサインです。

「これから、まさみさんはきれいな高原にいくよ。3.2.1、すうーっと」

私のイメージが、頭の中いっぱいに広がりました。私は切り立った崖の上に立ち、その向こうには雪をかぶった鋭い峰を持つ山がありました。後ろには、赤やピンクの花をした小さな高山植物があります。左側には小川が流れ、雪解け水が流れていました。川底にある落ち葉のイメージまで、ありありと思い浮かんできます。

「後ろにベンチがあるよ」

先生の声は、空の上から聞こえてくるようです。私は木製の白いベンチに座りました。

「まさみさんの恐怖は今、ベールの形をしています。どんな感じ?」

私は催眠状態で感じているイメージを、なんとか言葉で表しました。


 私:ベールは白くて、ベリーダンスで使うモノ。大きさは、縦は肩からカカトまで。

   横は指先より20センチぐらい大きいもの。

先生:それを持って、どんな気分?

 私:上手にダンスを踊れるかなあ。

  (私は趣味でベリーダンスをしていますが、ベールを使ったワークは苦手なのです)

先生:いつからそれを持っているの?

 私:うーん… 持って産まれてきたのかな。ライナスの毛布みたいに、いつも引きずって

   歩いてきたみたい。

先生:では、そのベールを持った時、産まれる前の記憶にいくよ。

   3.2.1、すうーっと。

 こうして私は、前世療法を受けることになりました。


 私の意識は、円い部屋の中にありました。壁には、ぐるりといくつものドアに囲まれています。このドアの一つを開けてみなければなりません。私は、斜め左にあるドアの中へ入って行きました。ドアの中はまっ白な霧に包まれています。その中を進んでいくと、シンデレラ城のようなとがった屋根をたくさん持つお城が現れてきました。でも、そこは決しておとぎ話のような、夢のある所ではありませんでした。

「絶対に城へ行ってはならない!」

自分でそう気づいた途端、体中に戦慄が走りました。気が付くと、周りには私を助けてくれる人間は誰もいません。たった一人、私だけが恐ろしい現場に取り残されていたのです。私は非力で、弱い存在。抵抗することは一切許されない。あまりの恐ろしさに身体がガクガク震え、声をあげて泣いている自分に気付きました。


 私のストーリーは、ここから走り出したのです。

 

(文/鵜養真彩巳)